「わかりやすいアジャイル開発の教科書」を読んだ!!
著者の @yasuohosotaniさんから「モニターしない?」とかる~く渡された本。
- 作者: 前川直也,西河誠,細谷泰夫
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2013/03/28
- メディア: 単行本
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を読みましたので感想おば。
なんというハードル
のっけからまずタイトルがすごいです。
「わかりやすいアジャイル」
ですよ。。すごい。 ひねくれた色眼鏡で見るとただのミスリー・・まぁそんなことはいいですね。
全体の構成
は、もうこちらで解説されてますね。
Agile News Flash / 【書籍】わかりやすいアジャイル開発の教科書
本書は次の4章から構成されている。 下記ページ数をご覧いただければ判る通り、「第3章」が一番分厚い。
という構成もありますが、五章の「アジャイルの本質」が最後というのもなんとなく興味をひかれました。 あ、最後に来るのね、と。 まぁ基本的な内容はソレまでのところにぎっしり詰まってるので、ホントおさらいがてらかもしれないですが、よくある
本読んで言葉だけ拾って「やったるで〜」だけによる暴走
に最後にちゃんと念を押す、みたいな。「手段?目的?忘れちゃダメよ?」な感じですかね。
あと、各章の頭にちゃんと「この章の目的」が書かれてるあたりもさすがだなーという。 しかもきっちり1ページに纏められてます。 書店なんかでチラ見るときには、各章のこのページだけでも見てみると、何が得られる本なのかはっきりすると思いますね。
他の本と違う所
そんなにいろんなアジャイル本を読んでるわけじゃないですが、「おー、そうくるか!」というのを並べてみると、
- TDDを「具体的なやり方」にまで言及(コード付き!)
- ワークショップについての詳しい解説(やり方まで!)
- 図った様に出てくる「こんなときどうする?」
といったところかなと思います。
詳細なTDDの解説
「おぉ。なんかやたら詳しいなー」が最初の感想ですね。 「TDDとは」から始まってかなりのページを割いて解説されてます。
なんでもそうでしょうけど、ボリュームが多く割かれるってことはやっぱり、 著者が大事に思ってたりとか、強く伝えたかったりするものなんだと思います。
じゃぁ、「アジャイルの教科書を書こう!」という著者がTDDをここまで大事にしている理由は・・・というのを想像してみると、
- 現場のエンジニアがまずとっかかりやすい
- 「動くソフトウェア」を支える最小のピースである
になるのかなー、と。
とっかかりやすいプラクティス
前にも書いた気がしますが、普段コードを触れるプログラマにとって、TDDをやらない理由はないです。 と同時にやれない理由もよっぽどのことがない限り存在しないと思ってます。 OSSに数多あるフレームワークをパッと持ってきたらそれだけで準備が整う。 プロジェクトとして「ユニットテスト作りましょう」になってなくても、自分だけで始められます。
人とのつながりを重視しているアジャイルな開発手法においてもTDDは「ひとりでできるもん」な始めやすいプラクティスであるのは間違いないと思います。
如何に「動かし続ける」か
またTDDの結果として出来上がる自動テスト群は、「動く」事を担保する根幹になるはずです。 もちろんユニットテストだけで!ではないですが、動かし続けて積み上げていくアジャイルなやり方を支える第一歩だと思います。
というあたりで、「やっぱりTDDからでしょ!な思いがある」のかなーー、といった印象でした。
ワークショップあれやこれ
ここまで具体的にワークショップの段取りや、ファシリテーターの振る舞い(重要!)として
「なにを伝えるべきか?」「どうアクションすればよいか」
「そもそもどんなワークショップがあるんだろう?」や、「ワークショップやったりしてみたいけどどうしたらええの?」 な人にとっては、ワークショップの参考書代わりにしてもいいんじゃないでしょうか。ソレくらい詳しく書いてくれてます。
あとはコミュニティ紹介があるのも、著者が日本人ならでは、というところもありますよね。
そんなことだろうと思って
こういう類の本を手にする人って、少なくともアジャイルに興味があったり、実践しようとしてる人だったりすると思うんですね。 で、おそらくそういう人は本を読みながら「現場」を想像すると思うんです。
「お、ペアプロかー。やってみるならあの人とかな〜」
とか、
「んあードキュメントねぇ〜。アレ絶対ムダやけどどうしたらええだろう〜」
とかとか。でもってそうなると途中で絶対出てくるのが
「いやいやキミそう言うけどやね」
ですよ。
そんな時この本には「そうだろうと思って」と言わんばかりに 「こんな時どうする?」が出てきてます。まさしく孔明の(ry
要所要所に出てくるこの「対策」と合わせて、いかに現場に適用するか、を考える様な内容になってますね。
つまるところ
すごく読みやすい「教科書」になっていると思います。 「"どの本から読めば良いですか?"の解にしたかった」という著者の言葉通り、
- 外枠
- その外枠の意味
- 一歩目を踏み出すhowto
とひと通り揃っていると思います。
著者が日本の方ですから、訳書とかにありがちな「微妙なコンテキストの違い」もかなり小さいと思いますし、 この本を出発点にして気になったポイントを他の文献と合わせて深堀りしていく様な流れも感じさせてくれる本だと思います。
しかしアジャイル関連の本は読む度に突き刺さるものがあるな。。。
「お前どれだけできてんだよ?」
というアレ、です。